スペインの労働・社会経済省(MITES)は、2021年6月9日にサイバー攻撃を受けたと発表しました。
MITESは、スペインの雇用、社会経済、企業に関する政策の調整・監督を行う省庁で年間予算は約3,900万ユーロに上ります。
発表では「同省の技術責任者と国立暗号センターは協力して、原因を究明しできるだけ早く正常な状態に戻すよう努めている」と述べています。
労働・社会経済省がコンピューター攻撃を受けました。同省と国立暗号センターの技術責任者が協力し、原因を究明し、一刻も早く正常な状態に戻すよう努めています。
攻撃を受けた同省のウェブサイトはまだ稼働していますが、通信室とマルチメディアルームはともに停止している状態です。
MITESに属する政府機関で、2021年3月にランサムウェアの被害に遭ったスペインのSEPE(Servicio Público de Empleo Estatal)は今回のサイバー攻撃の影響を受けていないと述べています。
労働関連の政府機関がランサムウェアの被害に
今回のMITESのシステムへのサイバー攻撃は、2021年3月9日にSEPEのネットワークを襲ったRyukランサムウェア攻撃の後に行われ、2021年3月9日の事件ではRyukが同庁のネットワークシステムを暗号化したため、スペイン全土の700以上の庁内事務所に影響が及びました。
当時同庁のウェブサイトで発表された内容によると、ランサムウェアはSEPEのワークステーションだけでなく、同庁のリモートワーカーのラップトップにも展開されていました。
ランサムウェアの被害者として注目されているのは、このスペインの労働機関だけではなく、スペインの大手マネージドサービスプロバイダー(MSP)であるEverisや、スペイン最大のラジオ局であるCadena SER(Sociedad Española de Radiodifusión)も、2019年11月にランサムウェアの被害に遭っています。
世界最大級の通信会社であるテレフォニカも2017年に世界中で数万人の被害者を出したランサムウェア「WannaCry」の発生時に被害を受けていました。
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