アイルランドの公的医療機関であるHealth Service Executive(HSE)は、ランサムウェアによる攻撃でネットワークが侵害されたため、すべてのITシステムを停止しました。
アイルランド国営医療機関は
HSEのITシステムにランサムウェアによる大規模な攻撃が発生しました。これによりサービスに若干混乱が生じていますが、ほとんどの医療機関の予約は予定通り行われております。我々は、この攻撃からシステムを保護し、セキュリティ・パートナーと共に状況把握するため、全てのITシステムを停止するという予防措置を取りました。
と述べています。
また、アイルランドHSEは国内の国立救急サービスおよび救急診療所(ED)は正常に運営されており、ランサムウェア攻撃による救急車の出動や電話対応への直接的な影響はないとしています。
ほとんどの病院の予約には影響がないとはいえ、サービスの混乱の影響を受けている病院はあり、Rotunda Maternity HospitalやCork University Hospitalでは一部の予約がキャンセルされています
COVID-19ワクチンの予約に影響はなく、予定されていたCOVID-19検査も予定通り行われていますが、HSEはシステムが復旧するまでCOVID-19検査の紹介を行うことができません。
また、HSEの最高責任者であるポール・リードは、2021年5月14日RTÉに対し、この「非常に洗練された攻撃」を実行した脅威組織は、まだ身代金を要求していないと述べました。
HSEは「患者さんや一般の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、詳しい情報が入り次第お知らせします」と述べています。
また、米国政府は2020年10月ハッキンググループがRyukランサムウェア攻撃で病院や医療機関を狙っていると医療業界に警告しています。
アイルランドのHSEに対するランサムウェア攻撃は、米国最大の燃料パイプラインであるColonial Pipelineがランサムウェア組織「DarkSide」によってネットワーク侵入を受け業務を停止した事件の1週間後に発生しました。
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