ProtonMail、DuckDuckGoなどEU・米国規制当局に監視型広告の禁止を要請

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ProtonMail、DuckDuckGo、Vivaldi、Tutanota、Startpageなどプライバシーを重視するハイテク企業のグループが、EUと米国の規制当局に対し、監視型広告の禁止に向けた対応を求める公開書簡を送付しました。

Open letter: Ban surveillance-based advertising | Vivaldi Browser
This letter has been sent by the undersigned to EU & US regulators, to urge them to take action on banning surveillance-based ads, as recommended by the NCC.

監視型広告とは、広告業界で一般的に行われている手法で、企業が大量の個人情報を収集し、その情報をもとに、プラットフォームやデバイスを超えてウェブ上でユーザーを追跡し、高度にカスタマイズされた広告を配信するものです。

発表された公開書簡では、ユーザー追跡に反発して結成された企業の一部が、監視型広告を立法措置によって禁止すべきだと主張したものになっています

デジタル領域では、消費者が「良い」行為者と「悪い」行為者を区別することが難しく、正規の企業、中でも多くの中小企業が、不謹慎な企業の行動によって影響を受けることになります。

署名者たちは、これらのオンライン広告はプライバシー権などユーザーの個人的自由に問題を引き起こすだけでなく、広告エコシステムにおける競争にも悪影響を及ぼすとしています。

例えば、監視型広告では悪質な業者や不正行為を行う企業が、正当な広告を出稿する企業の中に紛れ込むことができます。

これは、ウェブサイト間でユーザーを追跡できる立場なのは、ごく少数の「支配的企業」に限られるためで、一部の企業はこの立場を悪用し自社のサービスを優先させたり、市場や価格を操作しているのではと論争が巻き起こっていました

Vivaldiブラウザを開発しているVivaldi Technologies社のCEOであるJon von Tetzchner氏は、「独占的な行為は、支配的な企業の立場を強固にするものであり、複雑なサプライチェーンや技術のない企業は収入減につながります。これらの行為は、競争を著しく阻害し、コンテンツ制作者から収益を奪うもので、消費者や企業に悪影響を及ぼし、民主主義の基盤を揺るがしかねません」と述べています。

この公開書簡の署名者は以下の通りです。

  • Vivaldi Technologies, Jon von Tetzchner, CEO & Tatsuki Tomita, COO
  • Fastmail Pty Ltd, Bron Gondwana, CEO
  • コンバ・ベンチャーズ社、dba. Fathom Analytics, Jack Ellis & Paul Jarvis, Director
  • プロトン・テクノロジーズAG、CEO アンディ・イェン博士
  • ツタオ GmbH, dba. Tutanota, Matthias Pfau, Co-Founder and CEO
  • DuckDuckGo, Inc., Gabriel Weinberg, 創業者兼CEO
  • Disconnect Inc., Casey Oppenheim, 共同設立者兼CEO
  • Mojeek Limited、CEO、Colin Hayhurst
  • Ecosia GmbH, Christian Kroll, CEO
  • Startpage & StartMail, Robert E.G. Beens, 共同設立者兼CEO
  • Nextcloud GmbH, Frank Karlitschek, 創業者兼CEO
  • Kobler, Erik Bugge, CEO
  • Strossle International社:H kon Tillier(CEO)、Rickard Lawson(CMO
  • Mailfence, Patrick De Schutter, 共同設立者兼マネージング・ディレクター

NCCは、Vivaldi&coの公開書簡に記載されている理由以外にも、監視カメラを使った広告は、大衆を操作して大規模な差別を行ったり、サイバー攻撃を仕掛けて詐欺やスパイ行為を行ったり、特定のユーザーグループにマルウェアを感染させたりするのに使われる可能性があると主張しています。

また、同様の取り組みは、今年3月に活動を開始した世界各国の数十のNGOからなる連合体「Ban Surveillance Advertising」からも行われており、こちらも公開書簡を通じて政府首脳に監視型広告の禁止を要請していました。

標的型広告プラットフォームが、フリンジ陰謀論や反ワクチンキャンペーン、自国の民主主義を脅かす過激派グループの宣伝に役立った過去の事例を例に挙げています。

米国に比べてプライバシー権が重視されているEUでは、こうしたロビー活動の結果、欧州データ保護監督官(EDPS)と欧州議会が、ターゲティング広告やユーザーのプライバシーを考慮することなくデータを収集・利用する現代のアドテクノロジーの慣行について、公式に調査を開始しました。

AppleのCEOであるティム・クックは、監視型広告を厳しく批判しており、Appleがアドテクノロジー部門を持っていないことを理由に、Apple製品を競合他社の同様の製品に比べてよりプライベートな製品であると宣伝しています。

Apple CEO Tim Cook speaks out on disinformation, saying 'we can no longer turn a blind eye'
The Apple boss says: "A social dilemma cannot be allowed to become a social catastrophe."

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