マイクロソフトは、ウイルス対策製品の商用版である「Microsoft Defender for Endpoint」価格モデルを分割し、より安価なプランを導入することで、通常は購入できなかった企業にも同社の製品をより簡単かつ広範に利用できるようにすることを計画していることがわかりました。
これまで「Microsoft Defender for Endpoint」は、Microsoft 365のE5ライセンス、またはE3ライセンスにE5セキュリティ拡張機能を追加したライセンスを契約した企業を中心に提供されていましたが、これらはいずれもMicrosoftのエンタープライズライセンス体系の中でも最も高価なライセンスになります。
それぞれ1ユーザーあたり月額57ドルもしくは44ドルとなっており、IT予算の少ない多くの企業にとっては、この2つのオプションは手が届かず、代わりに安価なサードパーティ製のアンチウイルスソリューションを使用することが多いのが現実のようです。
しかし、マイクロソフトはブログ記事で、Defender for Endpointをプラン1とプラン2という2つの新しいライセンスオプションに分割することを発表しました。
この2つのプランの違いは、プラン1にはDefender for Endpointの機能のうち、エンドポイント保護機能に特化した機能のみが含まれます。
残りのDefender for Endpointの機能は、プラン2の一部として提供され、マイクロソフトの現在のユーザは2021年後半に自動的に移行される予定です。
プラン1は主にE3のお客様に提供され、プラン2はより高価なE5のライセンスを購入した後に利用できるようになります。
今回の動きは、Defenderの幅広い検知・監視機能を契約したくても、非常に高価なライセンスを購入する余裕がなかった中小企業にとってはありがたいものです。
多くのセキュリティ専門家は、専任のセキュリティチームを持てず、セキュリティ資産への支援を必要としている低予算の企業が利用しやすいように、DefenderをE3層に移行することをマイクロソフトに要求していました。
「Microsoft Defender for Endpoint Plan 1」は、現在パブリックプレビュー中で無料で利用することができます。企業は、プレビュー期間中にサインアップすることで、無料でテストすることができます。
マイクロソフトは、プラン1の一般提供を2021年後半に開始する予定です。一般提供開始後、プラン1は2つの方法で提供されます。
- ユーザーごとにライセンスされるスタンドアロン SKU として、「Microsoft Defender for Endpoint Plan 1」は、対象となるライセンスユーザーが、最大5台の同時使用デバイスで使用することができます。
- Microsoft 365 E3/A3の一部として、上記と同じユーザーごとのモデルおよびデバイス権限で提供する。
その他の詳細および正確な価格は、プラン1の一般提供開始後に通知される予定です。ちなみにE3ライセンスの価格は、現在、1ユーザーあたり月額32ドルです。
2022年に予定されているOfficeサブスクリプションの一部の値上げをしましたが、E3ライセンスとE5ライセンスは同じ価格帯のままであると述べました。
「Microsoft Defender for Endpoint」は、これまで「Defender Advanced Threat Protection」として知られており、現在、Windows、macOS、Android、およびiOSデバイス向けに提供されています。Defender for Endpoint」の製品版は、Windowsシステム向けの最高のセキュリティソリューションの1つとして、全世界で評価されています。この製品は、世界の多くの大企業や欧米の政府機関に広く導入されています。
2つのプランの詳細については、こちらをご覧ください。
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