Facebookが顔認識機能を廃止。10億人以上の情報を削除予定

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Facebook(Meta社)は、顔認識機能を廃止し、10億人以上の情報を削除することを発表しました。

An Update On Our Use of Face Recognition | Meta
We’re shutting down the Face Recognition system on Facebook, so people who’ve opted in will no longer be automatically be recognized in photos and videos.

数週間のうちに、当社製品での顔認証の使用を制限する全社的な取り組みの一環として、Facebookの顔認証システムを停止します。顔認証の設定を許可した人は、写真やビデオで自動的に認識されなくなり、その人を識別するために使用した顔認証テンプレートを削除します。

これは顔認識技術の歴史の中で、顔認識の利用における最大の変化の一つとなります。Facebookのデイリーアクティブユーザーの3分の1以上が当社の顔認証設定を利用しており、顔認証を利用することができる状態です。この顔認証設定が解除されると、10億人以上の個人の顔認証テンプレートが削除されることになります。

Facebook(Meta社)はこれまで、膨大なデータを利用して、写真や動画に写っている人物を自動的に認識する機能を提供してきました。また、これらの機能のプライバシーへの影響をめぐって、イリノイ州の生体認証プライバシー法に基づく集団訴訟などの法的な課題も話題になっていました。

今回の顔認識機能のデータ削除は、プライバシー擁護団体や研究者から驚きと喜びの声が上がっています。

これまでにも、世論の反発を受けて顔認証の取り組みを一部中止した企業はあり、2021年5月にはアマゾンが、警察による顔認証システムの使用禁止を無期限に延長すると発表しました。アマゾンは、2020年夏に起きた人種差別撤廃デモの際に、またトランプ政権が移民を取り締まる際に、米移民税関捜査局に顔認証製品を売り込んだ後に、初めてこの禁止を発表しました。

reuters.com

顔認識技術は、肌の色が濃い人を識別する精度が低いという研究結果があり、すでに黒人が誤認によって逮捕・投獄されたという報告につながっています。

フェイスブックから顔認証を取りやめる決断をした理由として、より大きな社会的関心と明確な規制の指針がないことを挙げています。

顔認証技術の大幅な導入を中止する一方で、アカウントのロック解除など、より限定的なユースケースでの利用を引き続き検討していくとのことです。

今回の顔認証機能の廃止は「全社的に広範な個人認証から、より狭い範囲での個人認証へと移行していきます」とブログ記事には書かれています。

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