パスワードを覚えるのは大変です。そのためほとんどの人が複数のサイトで同じパスワードを使用しています。しかしこの方法は、大きなリスクを伴います。たった1つのパスワードが漏れただけで複数のサイトのアカウントデータが流出してしまうためです。
またパスワードを変更すること自体、面倒な作業になります。サイトを開いて、サインインし、アカウント設定を探して、パスワードのページを開き、保存する必要があります。すべてのサイトで繰り返すため非常に大変な作業になります。
Googleは、情報漏えいで漏洩したパスワードをワンタップで変更できるAndroid版Chromeの新機能をリリースすると発表しました。
Chromeではすでに認証情報が漏洩したかどうかを確認する機能を搭載していますが、今回の新しい自動パスワード変更機能のリリースにより自動的にパスワードを変更することもできるようになります。
今後はサポートされているサイトやアプリで盗まれたパスワードをチェックするたびにGoogleアシスタントが「パスワードを変更」ボタンを表示し、Chromeがウェブサイトに移動してパスワード変更するように促します。

また認証情報の変更プロセスにおいて「手動ですべての操作を行う」という選択肢が提供されます。
Google ChromeシニアプロダクトマネージャーのPatrick Nepper氏は「Duplex on the Webを搭載したアシスタントは、スクロール、クリック、フォームへの入力などウェブ閲覧の面倒な作業を代行し重要なことに集中できるようにします。そして今回この機能をさらに拡張し、認証情報がネット上に流出したとChromeが判断した場合、特定のサイトやアプリ用に強力なパスワードを素早く作成できるようにしました。」と述べています。
Duplex on the Webは2019年に導入されGoogleアシスタントがユーザーの様々なウェブ上のタスクをより簡単にこなせるようにするためのもので、食べ物の注文、飛行機へのチェックイン、映画チケットの購入、そして今回は漏洩したパスワードの自動変更などが含まれます。

パスワードの同期を有効にしているデバイスにも提供
Patrick Nepper氏は「パスワードの自動変更機能はAndroidのChromeでパスワードを同期しているユーザーを対象に徐々に展開されています。これは米国で開始されますが今後数ヶ月中により多くの国で利用できるようになる予定です。また、GoogleはChrome for Androidのパスワードマネージャーにもいくつかの機能強化を行うことを発表しました。

- 他のパスワードマネージャーからパスワードを簡単にインポートできるツール
- ChromeとAndroidとの連携によりデスクトップ、モバイルを問わずサイトやアプリ間でパスワードをシームレスに入力することができる
- パスワードアラートは保存されているパスワードが第三者による侵害を受けたことを自動的に警告する
Google社のプロダクトマネジメント担当副社長であるSameer Samat氏は、今年の年次開発者会議「Google I/O」でAndroid OSが30億台以上のデバイスに搭載されていることを発表しました。
この数字にはAmazon Fireなどのサードパーティ製ストアを利用しているデバイスや中国製のAndroidベースのスマートフォンやタブレットは含まれていません。
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