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木曜日から、ロシアのサイバーセキュリティ企業カスペルスキー社は、全米の顧客のコンピュータから同社のマルウェア対策ソフトウェアを削除し、自動的にUltraAV社のウイルス対策ソリューションに置き換えた。

これは、米国政府が6月にカスペルスキーを「国家安全保障上の懸念があるとみなされる外国の個人、企業、組織」の目録であるEntity Listに追加したことを受けて、カスペルスキーが米国での事業を停止し、米国に拠点を置く従業員を解雇することを決定したことによるものだ。

また、バイデン政権は6月20日、潜在的な国家安全保障上のリスクを理由に、2024年9月29日から米国内でカスペルスキー社のウイルス対策ソフトの販売とソフトウェア・アップデートを禁止すると発表した。

7月、カスペルスキー社は販売・配布禁止のため、7月20日から事業を閉鎖し、従業員を解雇すると発表した

また9月上旬、カスペルスキーは顧客に電子メールを送り、カスペルスキーが米国の顧客向けのソフトウェアとアップデートの販売を停止した後も、UltraAV(Pango Group所有)から「信頼できるサイバーセキュリティ保護」を受け続けることを保証した。

しかし、これらのメールでは、カスペルスキーの製品が突然コンピュータから削除され、警告なしにUltraAVに置き換わることをユーザーに伝えていなかった。

Kaspersky email on UltraAV transition
UltraAV移行に関するカスペルスキーのメール(Chrisboy265)

カスペルスキーユーザーのPCに強制インストールされたUltraAV

‘sフォーラムを含む多くの オンライン 顧客 報告によると、UltraAVのソフトウェアは事前の通知なしにコンピュータにインストールされ、多くの人が自分のデバイスがマルウェアに感染したのではないかと心配している。

「目が覚めたら、デスクトップに新しいアンチウイルスシステムがあって、カスペルスキーを開こうとしたら消えていた。デスクトップがウイルスに感染してカスペルスキーをアンインストールしてしまったのかと、文字通り心臓発作を起こしたよ。

さらに悪いことに、ソフトウェアのアンインストーラーを使ってUltraAVをアンインストールできたユーザーもいたが、アンインストールアプリを使って削除しようとしたユーザーは、再起動後に再インストールされているのを確認し、マルウェア感染の可能性についてさらなる懸念を引き起こした。

また、カスペルスキーVPNを契約しているためか、UltraVPNがインストールされているのを発見した人もいた。

UltraAVについては、複数のVPNブランド(Hotspot Shield、UltraVPN、Betternetなど)やComparitech(VPNソフトウェアのレビューサイト)を管理するPango Groupの一員であること以外、あまり知られていない。

“Kasperskyの有料顧客であれば、移行が完了した時点でUltraAVの保護機能がデバイス上で有効になり、追加のプレミアム機能をすべて活用できるようになります。”とUltraAVは公式サイトのKasperskyのソフトウェアからの強制移行に特化したページで述べている。

「2024年9月30日、カスペルスキーはお客様のサービスのサポートや製品アップデートを提供できなくなります。これにより、お客様はサイバー犯罪の危険にさらされることになります。”

UltraAVへの強制切り替えの背景に “ソフトウェアアップデート”

また、カスペルスキーの従業員は、UltraAVへの強制的な切り替えについて、同社の公式フォーラムで公式声明を発表し、「カスペルスキーの保護機能を利用できなくなる米国在住の顧客の保護を継続するために、ウイルス対策プロバイダーのUltraAVと提携した」と述べた。

“カスペルスキーはさらに、UltraAVと提携し、UltraAV製品への移行を可能な限りシームレスに行えるようにしたため、9月19日に米国のカスペルスキー・アンチウイルス顧客はUltraAVへの移行を促進するソフトウェア・アップデートを受け取った。

「このアップデートは、カスペルスキーが市場から撤退する際に、ユーザーが保護にギャップを感じることがないようにするものである。

同社は、UltraAVは同社製品と同様の機能を備えているとしており、顧客に対し、UltraAVのウェブサイトのFAQページを確認するか、サポートチームに問い合わせるよう求めている。

本日未明、カスペルスキーの広報担当者に問い合わせたところ、すぐにコメントは得られなかった。