ウィキメディア、クロアチアの管理者を追放:急進的な右派政策を推進したとして

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ウィキメディア財団は、クロアチア版ウィキペディアの管理者がサイト上のコンテンツを急進的な右派の意見で編集・歪曲していたことを調査で明らかにし、その管理者を追放したと発表しました。

2011年から2020年の間、クロアチア版ウィキペディアを事実上支配していたとウィキメディア財団は報告書で述べています。

ウィキメディア財団によると、このグループは「不正確な内容やあからさまな歴史修正主義を含む記事を組織的に作成・編集しており、しばしば疑わしい情報ソースを使用して、過激な意見を政治的・歴史的事実のように表現していました。このグループのメンバーが作成・編集した記事の多くは、クロアチアの急進的な右派政党や超保守的なポピュリスト運動の緩やかなつながりのあるグループが提唱する政治的・社会文化的な立場に合致した見解を示しています」と同団体は述べています。

これには以下が含まれていました。

  • ヒトラーがポーランドを攻撃し、ポーランド人がドイツ人に対して大量虐殺を行った後に第二次世界大戦が始まったと主張
  • 第二次世界大戦の強制収容所を労働収容所と再定義
  • 第二次世界大戦および大量殺戮に関与したウスタシャ(第二次世界大戦中のクロアチアのファシストおよび超国家主義組織)の指導者に関する記事に、中立的な見解を導入しようとした
  • クロアチアがユーゴスラビアに支配されていた時代に、ユーゴスラビア共産党員がクロアチア国民に対して行ったとされる陰謀を表現するために「ユーゴ共産主義」という造語を作成
  • EUの意思決定がクロアチアの主権を危うくするという意見の押し付け
  • EUがクロアチア国民を騙してEUに加盟させるためにプロパガンダを行ったと主張
  • 極右のニュースソースを使って、左派やリベラルな活動家や政治家を誹謗中傷
  • 「脱クロアチア化」、「クロアチアの沈黙」、「脱ツクマン化」などの右翼的なイデオロギー理論を何百もの百科事典的な記事に導入しようとした


記事の編集については発表されたウィキメディア財団の61ページにわたる報告書に記載されています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/14/Croatian_WP_Disinformation_Assessment_-_Final_Report_EN.pdf

クロアチアのウィキペディア編集者数名が、この閉鎖的なグループからサイトの編集管理権を奪おうと試みましたが、何度も失敗していました。

2020年、クロアチア語版ウィキペディアの管理者が、自作自演用のアカウントを使ってサイト内の議論やスタッフの選挙を操作していたことが発覚し、ウィキメディア財団が関与することになりました。

ウィキメディア財団の発表によると、Kuburaと名づけられたこの管理者は2020年11月にウィキペディアからグローバルで追放され、新しい管理者がサイト上で役割を果たすことが認められました。

このチームの悪用に関するウィキメディア財団の報告書では、ウィキペディアのセルビア語版でも同様の極右系の編集が行われている可能性も指摘されています。

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